ビットコインとは何か 仕組みを簡単に解説します
ビットコインってよく聞くけど何かわからない、怪しいものじゃないの?と思っている方は多いでしょう。確かに問題点や課題もありますが、私個人の意見としては、その仕組み自体は素晴らしく、今後発展する可能性が大いにあると思います。そこで今日はビットコインの仕組みについて、簡潔かつ簡単にわかるように解説することにします。簡潔な解説を目的としているので、細部で少し実態とズレている点がありますがご了承ください。
- そもそもビットコインとは何か?
- ビットコインの決済システムの仕組み
- ビットコインのブロックチェーン(管理台帳)の仕組み
- マイナーとは何か
- ブロックチェーンの不正防止システム
- ビットコインが価値を持つ理由
- ビットコインのポイントまとめ
- ビットコインの取引を行う方法
そもそもビットコインとは何か?
ビットコインとは、暗号通貨・および決済システムのことです。よく勘違いする人が多いですが、暗号通貨のことのみではなく、その決済システムのこともビットコインというのです。また、仮想通貨といわれる通り通貨そのものは存在せず、通帳でのやり取りのように残高のみが記録され、インターネット上に保存されます。
初めは、銀行振り込みなどをイメージしてもらえれば分かりやすいと思います。
銀行振り込みも、実際にお金を渡すわけではなく、変化があるのはお互いの通帳の残高のみです。ビットコインも同じように、取引を行った場合に変化があるのはインターネット上に記録されている残高のみであります。
よって、仮想通貨と言われるわけですね。
次は、この決済システムの仕組みについて深く見ていくことにしましょう。
ビットコインの決済システムの仕組み
ポイント① 管理者がいない
ビットコインの決済システムの特徴としてまず第一に挙げられるのは、P2Pといわれる管理者がいない構造であります。これには、なんのメリットがあるのでしょうか。メリットを考えるにあたって、まずは逆に管理者がいる状態を考えて見ましょう。
例えば、銀行で取引する場合を考えて見ます。
上記の図の元、Aさんの口座からBさんの口座にお金を振り込むには、Aさんの使用しているC銀行の処理と、Bさんの使用しているD銀行の処理が必要です。逆の場合もまた同じで、やはり両銀行の処理を必要とします。
こうした銀行取引には、以下のようなデメリットが考えられるでしょう。
- 手数料がかなりかかる
- 時間がかなりかかる
- 銀行の営業時間にしか送金できない
銀行の手数料の高さや営業時間外に送金できない事で嫌な思いをした経験がある人も多いでしょう。
しかし、管理者がいないビットコインの場合にはこうしたデメリットはほとんどありません。実際にビットコイン取引には、
- 送金手数料が0.0005BTC前後(7円くらい)
- 10分くらいで送金可能
- いつでもどこでもだれとでも送金可能
といったメリットがあります。
通貨 | ビットコイン | |
---|---|---|
管理者 | ○ | × |
送金時間 | 長い | 短い |
手数料 | 高い | 安い |
では、中央管理者がいない状態でどうやってシステムを維持しているのでしょうか。次はこの点を考えて見ましょう。
ポイント② みんなでシステムを維持
一言でいうと、ビットコインのシステムは、みんなによって維持されています。
もうすこし噛み砕いていうと、ビットコインの取引履歴(残高・やりとり等)は、ブロックチェーンと呼ばれる管理台帳に記録され、これが世界中の無数のパソコン(ノード)に記録されます。
これがまさに、ビットコインシステムが崩壊しない理由です。世界中の無数のパソコンに取引履歴が保存されることにより、仮に1つのパソコンが攻撃されデータを失ったとしても、他のパソコンによって正確な取引履歴が維持・保存されるのです。
逆に、管理者がいる場合はそうはいきません。例えばgoogleなどの検索エンジンは、管理者によって、管理・運営されています。
こうした状況で管理者が攻撃された場合、システムは休止・崩壊してしまう恐れがあります。
つまりここまでをまとめると、管理者を置かずみんなで管理することによって、手数料などの無駄なものを極限まで省き、なおかつ崩壊しないシステムを維持しているのです。
しかし、これだけでは取引の整合性は担保されません。具体的には、先ほど述べたブロックチェーンと呼ばれる管理台帳が改ざんされるかもしれない・中央管理者がいないならばビットコインはどのように発行されるのかといった問題が残ります。次は、管理台帳であるブロックチェーンについて詳しく見ていきましょう。
ビットコインのブロックチェーン(管理台帳)の仕組み
ビットコインのブロックチェーンには、今まで行われた無数の取引履歴が保存されています。では、取引の履歴はブロックチェーンにどのように追加されるのでしょうか。もう少し詳しく見ていきましょう。
ポイント① 取引はブロックにまとめられる
ビットコインによる取引が行われると、その情報は世界中のインターネット(ノード)に発信されます。
そして、この取引履歴をブロックという形にまとめる人たち(マイナー)が存在します。(この点については後述します)
ポイント② ブロックがブロックチェーンに追加される
このブロックがブロックチェーンに追加されます。今までの取引もブロックとして保存されているので、以下のようなかたちになります。
しかし、これではマイナーと呼ばれる人たちによって不正が行われるといった可能性や、誰もマイナーの仕事をしようとせず取引履歴が保存されないといった可能性が残ります。よって、次はマイナーとは何かを見ていくことにしましょう。
マイナーとは何か
マイナーとは、先ほども述べたように取引をブロックという形にまとめる人たちであります。彼らは無償で取引をまとめているわけではありません。取引をブロックにまとめ、ブロックチェーンに追加した際に、報酬としてビットコインが与えられるのです。
ブロックを追加する作業は簡単ではなく、専用のパソコンによる膨大な計算処理が必要であります。この計算処理を最も早く行い、ブロックチェーン上に新しいブロックを最も早く追加したマイナーのみに報酬が与えられます。
この報酬として与えられるビットコインは、新たに発行されるものであります。後に述べますが、発行上限が決まっていて、報酬という形でしかビットコインは発行されないため、金のような採掘に例えられ、マイニング(日本語で掘る)といわれるのですね。
これで、マイナーへのインセンティブという問題は解決しましたが、依然ブロックチェーンへの不正なブロックの追加(ブロックチェーンの改残)という問題は残ります。次は、このような不正をどのように防止しているのか見ていくことにしましょう。
ブロックチェーンの不正防止システム
ポイント① 最も長いブロックチェーンを信用する(プルーフオブワーク)
不正なブロックの追加を防止するシステムとして、ビットコインは最も長いブロックチェーンを信用するという前提を設けています。
この場合の最も長いというのは、ただ単にブロックの数が多いというものではなく、最も多くの計算が費やされたものを長いブロックであるとします。つまり、先ほど述べた、専用のパソコンによる膨大な計算量が最も多く費やされたものを信用するという事であります。
以下のブロックチェーンを例として考えて見ましょう。
最も長い青のブロックチェーンのみが信用され、オレンジ・緑・赤といった短いブロックは無視されます。
世界中の真面目なマイナーたちが、正しい取引を青いブロックに無数に繋げていくので、不正なマイナーたちはこれを上回る勢いで不正なブロックを積み上げていかなければなりません。しかし、これは理論上可能でも、実質的には不可能であります。というのも、ブロックを積み上げる際には先にも述べたように専用のパソコンによる膨大な計算能力を必要とします。現在の環境で、善意のマイナーたちを上回る規模の計算能力を用意するには、国家規模での膨大なお金と設備が必要であり、これが実質的に不可能であるのです。
ポイント② 不正を行うメリットがない
また、ブロックチェーンに不正が行われにくい理由として、不正を行うメリットのなさが挙げられます。初めに述べたように、ブロックチェーンは世界中の無数のパソコンに記録・保存されます。よって、不正なブロックが追加されたり改ざんが行われた場合、不正が丸わかりになり、信頼がなくなることから、ビットコインの価値は暴落するでしょう。大量の計算能力を提供し、記録を改ざんしても結局得るものは信頼の失ったビットコインのみになるのです。そうであるならば、その計算能力を活かして真面目にマイニングを行い、報酬として価値あるビットコインを手に入れるほうが利益になることでしょう。
これら二点から、不正が行われないシステムとなっていますが、ビットコインが価値を持つ理由には、先ほど少し述べたように、発行上限が決まっているという事があります。次はこの点を見ていきましょう。
ビットコインが価値を持つ理由
需要供給の原理から、希少性を備えたものは価値を持つという大原則があります。例えば金を考えて見ましょう。金は世界に存在する量が非常に少ないことから、希少性があり、価値が非常に高いものとなっています。同じく、有限である原油やプラチナも価値が高いですね。
ビットコインも、総発行額が2100万BTCと決まっています。マイナーへの報酬という形で発行されるビットコインの総量が決まっているという事であります。
ビットコインがさらに普及し、世の中の多くの人が使い始めたとしても、ビットコインの総量は増えません。つまり、決済システムとしてだけではなく、希少性も備えた通貨であるのです。
通貨 | 金 | ビットコイン | |
---|---|---|---|
管理者 | ○ | × | × |
決済 | ○ | △ | ○ |
希少性 | × | ○ | ○ |
ビットコインのポイントまとめ
- 実態はなく、残高のみがインターネット上に記録される。
- 管理者が不在であることから、手数料が割安でいつでも決済可能
- 取引はブロックに変換され、ブロックチェーン(管理台帳)に追加される。
- ブロックチェーンに改ざんを行うのは事実上不可能。
- 決済システムとしても機能するばかりか、金と同じように希少性を持つ。
ビットコインの取引を行う方法
取引所で購入することが可能です。詳しくは↓をご覧ください。